証言の目撃地点マップは以下のとおり

塩釜市の津波証言マップ


 塩釜市内での死者数は33人、行方不明者1名(11月13日現在)という被害だった。塩釜港から溢れた津波の高さは2.1mであり壊滅的な被害には至らなかったが、多くの車が流されたり海岸に近い市中心部が瓦礫に覆われた。塩釜湾は大小多数の島々が浮かぶ松島湾の奥に位置していたため津波の高さが減衰された。
 河北新報社は4月12日、『大津波の瞬間、人々は何を見て、どう行動したのか。津波被災体験を絵で伝え残し、振り返ってもらいます』との趣旨で“私が見た大津波”シリーズの連載(不定期)を開始した。読者から寄せられた津波体験談を目撃者がそのときに撮影した画像又は、目に焼きついた風景画とともに報じていることが特徴的である。
 塩釜市内の津波証言記事は6月1日版、河北新報社“私が見た大津波”に掲載された。塩釜署近くのコンビニ店主が店の2階に避難して津波を目撃した。→map

<1>車のライト、不気味に・塩釜署近く <6月1日 河北新報>

大津波の証言・塩釜市のコンビニ店主

 漂流した車のライト、不気味に

 国道45号沿いにある自宅を兼ねたコンビニエンスストアで店番をしていて、地震に遭いました。
 当初は陳列棚の酒が落ちないように押さえていたのですが、激しい揺れで酒瓶が次々と落ち、危険を感じてレジに逃げ込みました。
 揺れが収まった後、片付けをしたり、接客したりしていると、防災無線が津波からの避難を呼び掛け、裏手の塩釜署からも「高台に逃げろ」と叫ぶ声が聞こえました。すぐにパート店員を帰宅させ、店を閉めて2階に上がりました。

 津波が来たのは10分ほどたった4時ごろ。窓で見ていると、茶色い濁流が道路を通って、一気に押し寄せてきました。家や車が流され、車がガンガンとあちこちでぶつかる音が聞こえました。

 チリ地震大津波を体験していた父は、津波は国道45号までは来ないと言っていたので、驚きました。水は1時間後に引きました。店に残っていた水の跡は、高さ1メートル80センチほどありました。

 暗くなる中、電気系統が壊れたのか、漂流した車のライトがあちこちで揺らめき、クラクションも鳴り響いていました。とても不気味でした。

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